「ぶっちゃけ、今の仕事、好きですか?」

もし、この問いに即答で「はい!」と答えられない自分がいるなら。 あなたは、決して一人ではありません。

「好きなことを仕事にしよう!」 世の中では、そんなキラキラした言葉が溢れています。 でも、現実はどうでしょう?

「そもそも、自分が本当に好きなことなんて分からない」 「好きを仕事にしてみたけど、理想と違って辛い…」 「生活のためには、好きじゃなくても、今の仕事を続けるしかない…」

そんな風に、理想と現実のギャップに苦しみ、「仕事とは、辛いものだ」と諦めかけていませんか?

こんにちは。このブログを運営している酒井です。 何を隠そう、僕自身もかつては営業として働きながら、「この仕事、本当に好きなんだろうか…?」と、ずっと自問自答を繰り返していました。

しかし、エンジニアへのキャリアチェンジを経て、そして独立・起業した今、僕は「仕事を好きになる」ための、あるシンプルな法則にたどり着きました。 それは、多くの人が勘違いしている「好きを仕事にする」という考え方とは、少し違うアプローチです。

この記事では、僕が参考にしたあるYouTube動画の内容も踏まえつつ、「のーこーどキャリア」流の、誰でも実践できる「仕事を好きになる方法」について、僕のリアルな体験談を交えながら、詳しくお話ししていきます。

多くの人がハマる「好きを仕事に」という“呪い”

まず、僕たちがなぜ「仕事が好きじゃない」と悩んでしまうのか。 その大きな原因の一つに、「好きなことを仕事にしなければならない」という、社会からの、あるいは自分自身からの、見えないプレッシャーがあります。

YouTube動画「【99%の人が勘違い】“仕事が楽しい人”と“仕事が辛い人”の決定的な違い」でも指摘されていましたが、多くの人が「ライスワーク(食べるための仕事)」に不満を感じ、「ライクワーク(好きなこと)」を仕事にしようとします。

しかし、このアプローチには、大きな落とし穴があります。

落とし穴①:「好き」は、驚くほど移ろいやすい

あなたが今日「好き」だと感じているものが、1年後、5年後も同じように「好き」であり続ける保証はどこにもありません。情熱は冷めやすく、興味の対象も変化します。不安定な「好き」という感情だけを羅針盤にしてキャリアを選ぶのは、実は非常にリスクが高いのです。

落とし穴②:「好き」が「仕事」になった瞬間、苦痛に変わる

趣味として楽しんでいたことが、いざ「仕事」となり、納期やノルマ、顧客からの要求といったプレッシャーに晒された瞬間、途端に「好き」ではなくなってしまう。これは、非常によくある話です。「好き」という純粋な動機が、「お金のため」「義務感」に変わってしまった時、かつての情熱は、むしろ強いストレスへと反転してしまうのです。

落とし穴③:「好き」だけでは、お金にならない(ことが多い)

残念ながら、あなたの「好き」が、そのまま市場で評価され、十分な収入に繋がるとは限りません。多くの場合、「好き」を仕事にして生計を立てるためには、その「好き」を収益化するための、別のスキル(マーケティング、営業、経営など)が必要になります。その現実を知らずに飛び込むと、「好きなことをしているはずなのに、なぜか貧しい…」という、辛い状況に陥ってしまうのです。

では、「好き」を追い求めるのが間違いだとしたら、私たちはどうすれば「仕事を好き」になれるのでしょうか?

「好き」より「得意」を育てよ!仕事が楽しくなるメカニズム

前述のYouTube動画が提唱する、そして僕自身も強く共感する答え。 それは、「好き」を探すのではなく、まず目の前の仕事で「できること」を増やし、「得意」を育てることに集中する、というアプローチです。

一見、遠回りに見えるかもしれませんが、これこそが、結果的に「仕事を好きになる」ための、最も確実で、再現性の高い道筋なのです。 そのメカニズムを解説しましょう。

「できること」が増えると、「自信」が生まれる

どんな仕事でも、最初は分からないことだらけです。しかし、努力して知識やスキルを身につけ、「できなかったこと」が「できること」に変わっていくプロセスは、確実にあなたの自信を育てます。

「得意」なことで、「成果」が出やすくなる

「できること」が増え、それが「得意」なことに変わっていくと、自然と仕事の質とスピードが上がり、成果が出やすくなります。

「成果」が出ると、周りから「認められ」「感謝される」

あなたの「得意」が具体的な成果に結びつくと、上司や同僚、そしてお客様から「すごいね」「助かるよ」「ありがとう」といったポジティブなフィードバックを得られるようになります。

「認められ」「感謝される」経験が、その仕事を「好き」にさせる

人間は、誰かの役に立ち、認められることに、根源的な喜びを感じる生き物です。自分の「得意」を通じて誰かに貢献し、感謝される。この経験こそが、「辛い」と思っていたはずの仕事に、「やりがい」や「楽しさ」といったポジティブな感情を吹き込み、結果的にその仕事を「好き」にさせてくれるのです。

つまり、「好き」だから頑張るのではなく、「頑張って得意になった」から「好きになる」。 この順番こそが、仕事を心から楽しむための、本当の鍵なのです。

【私の体験談①】「好き」ではなかった営業と、見つけた「得意」

僕自身、新卒で配属された営業という仕事が、最初から「好き」だったわけではありませんでした。むしろ、「自分には向いていないのでは?」と感じることの方が多かったです。

目標数字のプレッシャー、断られることへの恐怖、時には理不尽なクレーム対応…。正直、「辛い」と感じることばかりでした。

しかし、そんな中でも、僕はいくつかの「できること」を見つけ、それを「得意」にしようと意識しました。

  • お客様の話を、誰よりも丁寧に聞くこと(傾聴力)
  • 複雑な情報を、分かりやすい資料にまとめること(言語化能力)
  • 社内のエンジニアと、粘り強く調整すること(調整能力)

これらは、決して華やかなスキルではありません。しかし、これらの「得意」を活かして小さな成果を積み重ねるうちに、お客様から「酒井さんの説明は分かりやすいね」「君が担当でよかったよ」と言われる機会が少しずつ増えていきました。

もちろん、営業という仕事に対する根本的な虚しさ(数字を追うことへの疑問など)が完全に消えたわけではありません。しかし、自分の「得意」が誰かの役に立ち、感謝される経験は、間違いなく僕の支えとなり、仕事への向き合い方を少しずつ変えてくれました。

【私の体験談②】「偶然」から始まったエンジニアの道と、「得意」が花開いた瞬間

その後、僕は社内異動でエンジニア(Microsoft 365)へのキャリアチェンジを果たします。 しかし、正直に告白すると、この道も最初から「好き」で選んだわけではありませんでした。本当は「開発系エンジニアの方がかっこいい」と思っていたくらいです(笑)。

異動当初は、IT用語が全く分からず、参考書を壁に投げつけるほどの挫折も経験しました。プログラミングへの苦手意識もありました。

しかし、このM365エンジニアという仕事には、僕にとって幸運な点が一つありました。 それは、僕が営業時代に培った「得意」が、そのまま活かせる場所だったということです。

  • お客様の課題をヒアリングする力
  • 技術的な解決策を、分かりやすく提案する力
  • プロジェクトの関係者を調整する力

これらのスキルは、技術力以上に、お客様のDXを成功に導く上で不可欠なものでした。僕は、自分の「得意」を武器に、お客様の課題解決に貢献し、「ありがとう」という言葉を直接いただける機会に恵まれました。

プログラミングはできません。でも、お客様の業務を深く理解し、最適なM365の活用法を提案することは、誰よりも「得意」になれるかもしれない。 そう気づいた時、僕の中で、この仕事に対する見方が大きく変わりました。

「好き」ではなかったはずの仕事が、自分の「得意」を活かして誰かの役に立てる、最高の「やりがい」と「楽しさ」を感じられる場所に変わっていったのです。

ノーコードキャリア流「仕事を好きになる」ための3ステップ

僕の経験を踏まえ、あなたが今の仕事、あるいはこれからのキャリアで「仕事を好きになる」ための、具体的な3つのステップを提案します。

ステップ1:「できること」に目を向ける(得意の種を見つける)

まず、今のあなたの仕事(営業)の中で、以下の点を探してみてください。

  • 比較的、苦にならずにできること
  • 他の人より、少しだけうまくできること
  • やっていると、少しだけ楽しいと感じること
  • 周囲から「ありがとう」と言われたり、褒められたりすること

これらが、あなたの「得意の種」です。どんなに小さなことでも構いません。「資料作成が丁寧だね」「君のヒアリングは分かりやすいよ」そんな些細なフィードバックの中に、あなたの才能は眠っています。

ステップ2:「得意」を磨き、小さな成果を出す

見つけた「得意の種」を、意識的に使う機会を増やし、磨いていきましょう。 そして、その「得意」を使って、小さな「成果」を出すことに集中します。

例えば、もしあなたが「資料作成」が得意なら、チーム内で一番分かりやすい提案書テンプレートを作ってみる。 もし「ヒアリング」が得意なら、お客様の潜在的なニーズを引き出すための質問リストを作ってみる。

【私からの提案】 もし、あなたの会社でMicrosoft 365が導入されているなら、Power Automateを使って、あなた自身の面倒な作業を一つ自動化してみるのはどうでしょうか?(詳しくは過去記事参照) これは、プログラミング不要で、あなたの「課題解決能力」という「得意」を磨き、「できた!」という具体的な成果を出すための、最高の第一歩になります。

ステップ3:「得意」が活きる「場所」を選ぶ(必要であれば)

ステップ1と2を実践しても、どうしても今の仕事にやりがいを見いだせない場合。 それは、あなたの「得意」と、今の仕事内容や環境が、ミスマッチを起こしているのかもしれません。

その時は、あなたのその「得意」が、もっと評価され、感謝され、そしてあなた自身が輝ける「新しい場所」を探すことを、真剣に検討すべきです。

僕にとって、その場所が「M365エンジニア」でした。 あなたの営業経験(特にコミュニケーション能力や課題解決能力)は、IT業界、特に顧客と直接関わるSaaSの分野で、喉から手が出るほど求められています。

「好き」を追い求める転職ではなく、自分の「得意」が最大限に活きる場所を選ぶ。 これが、キャリアチェンジで失敗しないための、最も重要な戦略です。

まとめ:「好き」は、後からついてくる

仕事を好きになる方法」 その答えは、「好き」を探し続けることではありませんでした。

目の前の仕事の中で、「できること」を見つけ、「得意」に育て、その力で誰かの役に立ち、感謝される。 その経験の積み重ねこそが、あなたの仕事を、かけがえのない「好き」なものへと変えていくのです。

「好き」は、追いかけるものではなく、後からついてくるもの。

まずは、あなたの足元にある「得意の種」に、水をやることから始めてみませんか? その小さな一歩が、あなたの仕事人生を、そして「後悔しない生き方」を、豊かに彩る始まりになるはずです。