「どうせ自分は、レベル1のエンジニアだ…」

「営業からエンジニアへ!」 そう決意し、「戦う場所」を正しく選び、 「正しい努力」でスキルを学び、 あなたは今、いよいよ「転職」という、最後の扉の前に立っています。
しかし、あなたの心の中には、最後の「転職失敗」に繋がる、こんな「もやもや」が残っていないでしょうか?
「ITの勉強はした。でも、しょせんは付け焼き刃だ」 「周りの『本物』のエンジニアたちに比べて、自分はレベル1のひよっこだ」 「未経験の自分が、職場でやっていけるだろうか…」
その不安、痛いほど分かります。 こんにちは。このブログを運営している酒井です。
この記事は、 あなたのその「もやもや」こそが、転職で失敗する最大の原因であること、そして、その不安を「最強の武器」に変える、ある「ゲーム」の話をしようと思います。
私の体験談:「サバンナのうさぎ」が、ライオンの仕事を奪った話
告白します。 私も、営業から社内異動でエンジニア部署に配属された当初、強烈な「もやもや」を感じていました。
周りは、情報系の大学院を出たエリートや、10代からコードを書いているような「本物」のエンジニア(ライオン)たち。 そんな「サバンナ」に、プログラミングも書けず、営業上がりの私が、うさぎ一匹で投げ出された。
「やばい、何をしたらいいか、分からない」 「このままでは、食われる(使えないヤツの烙印を押される)」
しかし、私は「劣等感」を感じて、殻に閉じこもる道を選びませんでした。 なぜなら、私には「営業として培ってきた、最強の“引き継ぎスキル”」があったからです。
当時のエンジニア部署では、マネージャーが部署全体の「予算達成状況の報告」や「数字の管理」といったタスクを行っていました。
私は、それを見て「チャンスだ」と思いました。
「(うわ、このレベルの数字管理なら、営業時代に毎日やっていた自分もできる…!)」
私は、すぐにマネージャーに申し出ました。 「エンジニアの仕事はまだ半人前ですが、この『数字報告』のタスク、私が巻き取ってもいいですか? 営業時代、ずっとやってきたので、得意なんです」
マネージャーは、キョトンとした顔の後、満面の笑みで「ぜひ!」と言いました。

これが、私のエンジニア人生の「最初の一手」です。 私は、「レベル1のエンジニア」として萎縮するのではなく、 「レベル30の営業スキルを引き継いだ、レベル1のエンジニア」として、 エンジニアたちが苦手とするタスクを「営業スキル」でカバーし、部署に貢献することから始めたのです。
この「最初の価値提供(GIVE)」により、私は「あいつは駆け出しだけど、何か持ってるぞ」と周りに認められ、安心してエンジニアスキル(M365)を学ぶ時間を稼ぐことができました。
「ドラクエ3」を知らない、という最大の失敗
なぜ、多くの人がこの戦略を取れず、「キャリアチェンジの失敗」をしてしまうのか。 それは、彼らが「ドラクエ3の転職システム」を知らないからです。
最近、リメイク版(HD-2D)が発表されて話題ですが、「ドラクエ3」には画期的な「転職」機能があります。 戦士が魔法使いに、僧侶が遊び人になれる。 転職すると、レベルは1に戻ってしまいます。
しかし、ここが重要です。 転職前の職業で覚えた「呪文」や「スキル」は、一定の条件で引き継げるのです。 さらに、戦士(HPが高い)から魔法使い(MPが高い)になれば、「HPが高い魔法使い」という、ユニークな強みを持った仲間が誕生します。

営業 から エンジニアへの転職は、これと全く同じです。
あなたが失敗するのは、ITスキルが「レベル1」だからではありません。 あなたが、それまで「戦士(営業)」として苦労して手に入れた「高いHP(顧客折衝力)」や「ちから(数字管理能力)」という最強のステータスを、すべて捨て去り、履歴書に書かず、面接でも語らず、「レベル1の遊び人です」と名乗ってしまうからなのです。
最強の「引き継ぎスキル」で転職を成功させる方法
あなたの「営業経験」という最強のステータスを、エンジニアの世界に正しく「引き継ぐ」ための、具体的な行動計画をお話しします。
1. 転職の「アピール」で引き継ぐ(翻訳術)
まず、「私はレベル1です」とアピールするのを、今日からやめましょう。 あなたの職務経歴書は、以下のように「引き継ぎスキル」を明記するのです。
- NG例(リセット):
- 「営業経験は一旦リセットし、エンジニアとしてゼロから頑張ります!」
- →面接官の心の声: (もったいない…。「HPが10しかない魔法使い」を、今さら育てるのは大変だ…)
- OK例(スキルの引き継ぎ):
- 「営業として培った『顧客の課題発見力(=戦士のHP)』と『数字管理能力(=戦士のちから)』を引き継いだ、レベル1のエンジニアです」
- 「技術のキャッチアップは最速で行いますが、それと同時に、エンジニアチームが苦手としがちな『顧客との要件定義』や『プロジェクトの進捗管理』といった分野で、即座にチームに貢献できます」
- →面接官の心の声: (なんだこいつは…!? レベル1なのに、HPが異常に高いぞ! こいつは買いだ!)
2. 転職先の「選び方」で引き継ぐ(環境選択)
次に、あなたの「引き継ぎスキル」を正しく評価してくれる「転職先(パーティー)」を選ぶことが重要です。
- NGな会社(転職失敗):
- 「営業経験?関係ないよ。君は今日からレベル1のエンジニアだから、まずはテスト(単純作業)だけ3年間やってね」
- →これは、あなたの「引き継ぎスキル」を“無価値”とみなす会社です。ここでは、あなたの市場価値は永遠に上がりません。
- OKな会社(転職成功):
- 「君の営業経験は素晴らしいね!技術はこれから覚えてもらうけど、すぐにでも顧客とのミーティング(要件定義)に同席してほしい」
- →これは、あなたの「すばやさ(顧客対応力)」を活かして、「すばやい戦士(顧客対応ができるエンジニア)」として育てようとしてくれる会社です。
まとめ:あなたの「営業経験」は、最強の「引き継ぎスキル」だ

「営業 から エンジニア」への道で失敗する人は、スキルが足りない人ではありません。 自分の最強の武器を「役に立たないもの」だと勘違いし、「レベル1の遊び人」として転職活動をしてしまう人です。
あなたの営業経験は、最強の「引き継ぎスキル」です。 あなたのプログラミングでの挫折は、あなたが「M365」という、あなたのスキルが最も輝く「職業(ジョブ)」を見つけるための、必要なプロセスでした。
その全ての「失敗」と「経験」を、最強のステータスとして「引き継ぎ」、正しく「転職(ジョブチェンジ)」する。 それができれば、あなたの転職は、「失敗」しないでしょう!

