Microsoft 365エンジニアへの道を歩み始めたあなた。 広大な知識の海を前に、「一体、何から学べばいいんだ…?」と、途方に暮れていませんか?
そんな、地図を持たない航海の「羅針盤」となってくれるのが、Microsoft認定資格です。
しかし、誤解しないでください。 僕が資格をおすすめするのは、「資格さえ取れば安泰だ」と言いたいからでは、決してありません。
資格の本当の価値は、その紙切れ一枚ではなく、そこに至るまでの「学習プロセス」と、あなたの「本気度を証明する最強の武器」になるという点にあります。
今回は、IT営業だった僕が、もし今ゼロから学習を始めるとしたら、という視点で、あなたのキャリアを最短で、そして最も確実なものにするための、おすすめ資格ロードマップを厳選してご紹介します。
全員が取るべき「最初の一歩」:MS-900 Microsoft 365 Fundamentals

まず、あなたがどの道に進むにせよ、絶対に避けては通れない、全ての土台となる資格がこれです。
- 資格名:
MS-900: Microsoft 365 Fundamentals - 対象者:
全ての未経験者、IT営業職 - 難易度:
★☆☆☆☆(入門) - なぜ、これが最初の一歩なのか?
この資格の目的は、M365という広大な世界の**「全体地図」**を手に入れることです。Teams, SharePoint, Exchange, Entra ID, Intune…これらのツールが、それぞれどんな役割を持ち、どのように連携してビジネスの課題を解決するのか。その全体像を、体系的に学ぶことができます。 この地図があるかないかで、今後の学習効率は天と地ほどの差が開きます。
僕からのアドバイス:
この資格は、試験に合格すること以上に、Microsoft Learnの無料教材を一周することに価値があります。まずはここから始め、自分がM365の世界のどの領域に特に興味を惹かれるのか、自分の心の声を聞いてみてください。
「次の一歩」を選ぶ:あなたの強みを活かす3つの専門分野
MS-900で全体像を掴んだら、次はいよいよ、あなたのキャリアの方向性を決める「専門分野」を選びます。ここでは、特に営業経験が活きる、3つの代表的な道筋をご紹介します。
道筋①:王道を行く「Microsoft 365 管理者」への道

- おすすめ資格:
MS-102: Microsoft 365 Administrator - どんな仕事?
企業のM365環境全体を、安定的かつ安全に運用するための設計、導入、管理を行います。ユーザー管理からセキュリティ設定、各種サービスの最適化まで、幅広く担当する「M365の司令塔」です。 - あなたの営業経験が活きる場面:
各部署の要望をヒアリングし、全体のバランスを取りながら最適な設定を考える「調整能力」や、経営層に対してセキュリティリスクや導入効果を分かりやすく説明する「提案能力」が、そのまま活かせます。
道筋②:市場価値が急騰中!「セキュリティ専門家」への道

- おすすめ資格:
SC-900: Microsoft Security, Compliance, and Identity Fundamentals - どんな仕事?
巧妙化するサイバー攻撃から企業の情報を守る、セキュリティのプロフェッショナルです。M365が持つ高度なセキュリティ機能を駆使し、不正アクセス対策や情報漏洩対策などを担当します。 - あなたの営業経験が活きる場面:
目に見えない「セキュリティリスク」という脅威を、経営者が理解できる「ビジネス上の損失」という言葉に翻訳し、対策の必要性を説得する「リスクコミュニケーション能力」は、まさに営業の腕の見せ所です。
道筋③:現場のヒーローになる!「業務改善コンサルタント」への道

- おすすめ資格:
PL-900: Microsoft Power Platform Fundamentals - どんな仕事?
このブログでも紹介したPower Automateなどを含む「Power Platform」を使い、プログラミング不要で現場の非効率な業務を自動化・アプリ化する仕事です。最も現場に近く、感謝される機会も多い役割です。 - あなたの営業経験が活きる場面:
現場の社員との対話の中から「実は、ここの入力作業が一番面倒なんです…」といった潜在的な課題を発見する「ヒアリング能力」が、そのままあなたの価値に直結します。あなたが作った小さな自動化フローが、チーム全体の生産性を劇的に向上させるヒーローになれるのです。
まとめ:資格は、あなたを語る「物語」になる

ここまで、具体的な資格のロードマップをご紹介してきました。 しかし、最後に一番大切なことをお伝えします。
面接官があなたの履歴書を見た時、彼らが見ているのは、資格の名前そのものではありません。 彼らが見ているのは、「この人は、営業というキャリアに満足せず、自ら目標を設定し、未知の領域を学び、そして、客観的な証明として資格を取得するまでに至った、行動力と学習意欲のある人材だ」という、あなただけの「物語」です。
その物語こそが、他のどんな候補者にも負けない、あなたの最強の武器になります。 さあ、あなただけの物語を、今日から紡ぎ始めてみませんか?
