キャリアチェンジのための学習は、孤独な自分との戦いです。 そして、ほとんどの人が「挫折」という名の壁に跳ね返されていきます。
「今日も疲れたから、明日から頑張ろう…」 「やってもやっても、全然分からない…」
そんな日が続くと、いつしか分厚い参考書は、部屋の隅でホコリをかぶることになります。
この記事を読んでいるあなたも、もしかしたら過去の僕のように、一度は挫折を経験したことがあるかもしれません。
ですが、安心してください。 モチベーションの維持は、根性や気合の問題ではありません。 いくつかの具体的な「技術」を知っているかどうか、ただそれだけです。
今回は、僕がお金も仲間もいなかった営業時代に、たった一人で実践し、エンジニアになる夢を現実に変えた、再現性のあるモチベーション維持の秘訣を全てお話しします。
秘訣①：「未来からの逆算」で、今日のタスクに意味を与える
「なぜ、今この勉強をしているんだっけ？」 目的を見失うこと、それが挫折の始まりです。
僕がまずやったのは、「なりたい未来の自分」を、これでもかというほど具体的に、そして生々しく想像することでした。
- 「高層マンションの窓から、都会の夜景を見ながらお酒を飲む」
- 「値段を気にせず、好きな時に好きなものを食べる」
- 「『来月、旅行行こうぜ』と、友人を気軽に誘える自分になる」
そして、その5年後の理想から逆算して、「3年後」「1年後」の姿を年表のように書き出し、部屋の壁に貼っていました。これは、目標達成までの戦略を考える営業の経験が、間違いなく活きていたと思います。
さらに、その1年後の目標を「今月」、そして「今週」のタスクにまで落とし込む。 「今日はユーザー作成ができるようになる」 「今週中にはM365グループとセキュリティグループの違いを説明できるようになる」
こうすることで、「今日の退屈な勉強」が、「未来の理想の自分」に繋がる、意味のある一歩に変わるのです。
秘訣②：「やる気ゼロの日」を乗り越える、“1ページだけ”の魔法
とはいえ、どうしてもやる気が出ない日は必ずやってきます。 僕も平日は節約のためのお弁当作りや掃除でヘトヘト。休日にまとめて勉強しようにも、体が動かない日がありました。
そんな時に僕を救ってくれたのが、「1ページだけ問題集をやってみる」という、自分との小さな約束です。
不思議なもので、一度手をつけてしまえば、「キリが悪いから、この章だけは終わらせるか」と、脳が勝手にやる気モードに切り替わってくれます。
最初の一歩のハードルを、極限まで低くしてあげる。 これは、どんなに疲れている日でも使える、最も効果的な魔法でした。
ちなみに、当時の僕は本当にお金がなかったので、気分転換のカフェ代すら惜しく、勉強場所はいつも自室。ボロボロになっていく参考書だけが、僕の孤独な戦いの進捗を教えてくれる唯一の仲間でした（笑）
秘訣③：「ホームランバー」と「月イチサウナ」が僕を救った
自分を追い込むだけでは、人は必ず燃え尽きてしまいます。 そこで重要なのが、自分を「甘やかす」技術です。
当時の僕にとって、嗜好品はとんでもない贅沢。だからこそ、ご褒美はとても小さなものでした。
「一日の勉強ノルマを終えたら、「ホームランバー」を1本食べていい。」
箱に入ったあのアイスを1本食べることが、一日で一番の幸せでした。
そして、月に一度だけ、800円の銭湯に行き、サウナで汗を流す。これが、勉強のことを完全に忘れる、最高のリフレッシュでした。 （今では友人と長野の大自然の中でサウナを楽しむ、なんて贅沢ができるようになりましたが、あの薄暗い銭湯のサウナが、僕の原点です。）
大きなご褒美は必要ありません。あなたの日常にある、ささやかな「幸せ」を、努力した自分への報酬に設定してみてください。
秘訣④：すべてを支えた、たった一つの言葉
学習を始めてすぐ、僕は最初の壁にぶつかりました。 「言葉が、分からない」
IT用語を調べると、その説明の中にまた分からない用語が出てくる無限ループ。あまりの悔しさに、買ったばかりの本を部屋の壁にぶん投げたこともあります。
仕事のお昼休みに勉強していれば、上司から「二宮金次郎くん、また勉強かい？」とからかわれる。
孤独でした。何度も心が折れそうになりました。
そんな時、僕を奮い立たせたのは、たった一つのシンプルな言葉です。
「この人生、あきらめない」
このまま何もせず、会社の給与テーブルの上で、腐っていく人生で終わりたくない。 お金を理由に、やりたいことを諦める男にはなりたくない。 その一心で、僕は自分にこの言葉を言い聞かせ続けました。
もしあなたが今、挫折しそうになっているなら、自分に問いかけてみてください。 「ここで諦めたら、死ぬ時に後悔しないか？」と。
あなたの心の中にある、最も熱い言葉が、きっとあなたをもう一歩先へと突き動かしてくれるはずです。
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